時々、「この肩当ての形は自分に合っていないから・・」みたいなことを相談されることがあります。

 多くの方が悩み、「自分の体型に合った理想の部品(肩当て、アゴ当て、弓)」を探したりしているのです。皆さん真剣に悩んで、試行錯誤しています。しかし、私が客観的に、冷静に観察すると、そのような方の視野はとても狭くて(一生懸命だからこそ狭くなるとも言えます)、本質を見失っていることが多いのです。

 例えば、私に肩当て(またはアゴ当て)の形について相談される方は、自分の身体の曲線にフィットした肩当てがベストだと勘違いしています。そして、その形の肩当てを探し回るのです。

 しかしここで一旦冷静になって「上手な演奏者」の事を想像してみてください。肩当て無しで弾いている人もいます。楽器の裏板は人間の身体のカーブとは全く逆のカーブをしています。それなのに、上手な演奏者は楽器を何不自由なく楽器を持てるのです。

 ということは、どういうことなのか? それは、「肩当てと身体とのカーブのフィット度合いに答えはない」ということです。具体的に言うと、楽器を支える位置はピンポイントであり、楽器を構える(持つ)仕組みは「てこの原理」の理論で持っているのです。従って、この「楽器を構えるてこの原理の理論」を理解していない人は、その「ピンポイント」に気づかずに、力尽くで楽器を持ち上げようとしてしまっているのです。

 結局のところ、楽器を持つ理論をきちんと理解している人(上手な人)なら、どの肩当てでも(それどころか肩当て無しでも)、なんの問題なく楽器を構えることができます。

 もちろん、肩当ては何でもよいと言っているのではありません。調整との関係もありますし、微妙な相性もあることでしょう。しかし、「楽器をうまくもてないのは、肩当てが自分に合っていないのだ」と思い込んでいる人は、どんなに肩当てを探して試したとしても、(その時は一瞬良いと感じても)本質的な解決に繋がりません。

 まずは「楽器を構える理論」を冷静に自分の脳に理解させることこそが重要なのです(私のホームページのQ&Aに書いています)。理解した途端、「あれ?この肩当てって、こんなイメージだったっけ?」と、これまでと全く違って感じることでしょう。

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