少し前に私の工房で弓を購入してくださった方が楽器の本格的な調整をする事になって、最近その楽器にかかりっきりでした。その音の変化に満足してもらえたので、それはそれでこちらの予定通りで良かったのですが、それにしてもニスの修正に手間がかかりました。

 楽器の使い方が悪いので、楽器の汚れとニスの傷みが激しかったのです。ルーペで拡大しながら、時間をかけてニス修正しました。お客様には、「綺麗になった!」と満足してもらえましたが、しかし、普段から丁寧に使っていれば楽器はこのようにはならないものなのです。

 みなさんも、普段から丁寧に楽器を使ってあげてくださいね。ご自分の大切な楽器なのですから。

・楽器を拭く布は洗濯しましょう!
・石鹸で丁寧に手を洗ってから演奏をする癖をつけるとよいです。
・特にタバコを吸う人は要注意です。
・演奏後には丁寧に楽器に付いた松ヤニを拭ってください(磨き上げるわけではないです)。
・楽器を置くとき、またはケースにしまうときには、ぶつけないように丁寧に取り扱ってください。
・演奏中に弓のフロッシュが楽器にぶつかってしまう人は、演奏が雑になっているかもしれません。または、楽器の指板が下がりすぎているために、駒が低いのかもしれません。一度専門家のところで相談すべきです。
・普段からまめに調整に出すべきです。
・調整に出すときには、「弦の交換と、毛替えだけお願いします」などとは言わずに、「それ以外に必要なところもあれば・・・」と言うべきです。
・調整で預ける時間も余裕を持って。

 普段から丁寧に使っている人と、雑な人(本人にその自覚はまったくありません)とでは、楽器の傷み方はまるで違うのです。もちろんこれはニスだけの話ではありません。

関連記事: