音楽や演奏、楽器そのものについて、「感覚」の要素が重要であることは事実です。しかし、多くの方は「感覚こそが重要」と、ちょっと勘違いしています。なぜならば、「感覚」って、自分自身をいくらでもごまかすことができますし、または自分自身を正当化することができるからです。

 「感覚」の要素は、全体のせいぜい1割もあればじゅうぶんです。残りは「理論」とか「客観性」です。何度でも言いますが、音楽界は、もっとスポーツ界の指導方法を見習うべきと思います。すなわち、科学的な考え方をもっと取り入れるべきと思うのです。「スポーツ科学」という言葉があるように、「音楽科学」とか「演奏科学」とかいう言葉が、もっと一般的になっているようでなくてはならないのです。

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