最近、お客様と自作のエンドピンストッパー板”Zauberplatte”の話題になったり、または特許事務所の方と専門的な会話をすることが多いのですが、その中で世間の常識として、「エンドピンの音響上の目的が、床を理想的に振動させる(理想的に振動を伝える)こと」だと思っている方が多いと言うことに気づきました。

 これって、完全にガセネタです。指揮者とかでも「もっと、床を鳴らして!」みたいなことを言う人がいますが、その表現は笑ってしまいます。

 その証拠に、逆の事を考えてみてください。床って、殆ど振動していません。床を振動させて、その床が空気の振動(すなわち音)を生み出すなんて、ナンセンスなのです。もしも、それが本当なら、大理石床の教会などではチェロの音が凄く悪くなるはずですが、そんなことはありません。

 エンドピンの音響的な意味は、別の内容なのです。

 このように、弦楽器関連の情報なんて、ナンセンスな情報がまかり通っているのです。もちろん、この場では時間的な都合上説明はしませんが、上記のエンドピンの音響的なしくみも、明確に説明できます。

 私はこのような考えのもとに、全ての技術を追求しています。「感覚」とか「情報」、「一般的な常識」なんて当てにならないのです。重要なのは科学を基とした「理」です。

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