私が学生オケで弾いていた80年代前半は、オーディオのアナログからデジタルへの過渡期でした。CDプレーヤーがオーディオマニアの間で普及し始めた頃です。

 しかし、アマチュア演奏の録音に関して言えば、簡易的にはカセットレコーダー(SONY TC-D5M “デンスケ”とか)全盛期で、ちょっと本格的な録音をしようとしたら大がかりなオープンリールテープ録音機に適う音質はありませんでした。ホールの音響調整室にも必ず大きなオープンリールレコーダが2台備え付けられていて、我々アマチュアオケの演奏会では、それで録音して貰うのが常でした。

 ところがその頃、PCMプロセッサーというデジタル録音機器も、プロの録音や一部のオーディオマニアの間で使われだしたのです。このPCMプロセッサーという機械は正確に言えば録音機器ではなくて、デジタル信号処理機でした。録音にはベータビデオデッキを用いて、音声を映像の縞々パターンとして記録(録画)していたのです。

 我々筑波大学管弦楽団の演奏会でも、オーディオマニアの仲間が集まってPCMプロセッサーを購入して、デジタル録音を始めたのです。それと同時に、ビデオ撮影も行ったりしました。当時のアマチュア演奏においては、デジタル録音やビデオ撮影をしたグループとしては初期の部類に入るのではないでしょうか?

 最初にそのデジタル録音の音を聴いたときには驚きました!それまでは「オープンリールの音、最高!」と思っていたのですが、音のレベルが違ったのです。演奏が始まる前のホールの空気感、音場感が録音されていたからです。この驚きは未だに忘れられないくらいの衝撃でした。もちろん、プロの業者がPCM録音をして作成された高音質レコードやCDは既に一般的だったので、デジタル録音自体に珍しさはさほどありませんでしたが、自分たちの録音がデジタルで出来るという現実に驚いたのです。

 もっとも、その数年後にはDATレコーダーとか、MDレコーダーとかが発売されて、もうデジタル録音は当たり前の時代に突入するので、PCMプロセッサーはあっという間に化石みたいな感じになってしまっていました。

 さて、話しが脱線してしまいましたが、先日、SNSで筑波オケの先輩とPCM録音をした保存データの話になったのです。それで「今さらPCMプロセッサーを再購入しても‥」って、ちょっと笑い話をしたのですが、そのあと気になってしまって中古のPCMプロセッサーを物色してしまいました。

 そうしたら何と!!、日本では発売されていなかった海外モデルのデジタル出力対応の、SONY PCM-601ESDという希少モデルが、それも未使用品が売っていたのです。もちろん、ゲットしました! これで実家のどこかに埋もれている、PCM録音データを復活できるかもしれません。

 

 私の工房のお客様で、PCM録音データ(ビデオテープ)を所有している方は(たぶん、そこまでマニアックな方はいないと思いますが)、デジタルデータ化のお手伝いをしますよ。私の工房のお客様、限定です。それ以外の方はお断りします。

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