マイスターのQ&A

ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗

:ケースにレインカバーを被せると、肩掛けベルトが付けられないので不便です。

:まずはケースのレインカバー自体をご存じない方も多いと思いますので、紹介しましょう。下写真のレインカバーは汎用品で、特定のケース用というわけではありません。\2,000前後と値段的にも手頃なので、雨の日にケースが濡れることを気になっている方は、是非この機会に試してみてはいかがでしょうか?汎用品ですが、よほど特殊な形のケースでなければ利用できるはずです。
 さて、ご質問の肩掛けベルトですが、話は簡単です。ご自分で穴を開ければよいのです。但し、この穴の開け方には注意が必要ですので、以下の作業方法を守って穴を開けてください。

ベルト穴開け作業
ベルト穴の位置に印を付ける
 まずはケースの肩掛けベルトを外して、カバーを被せてください。そうして肩掛けベルトの掛かる金具の位置に、下写真の様にサインペンで印を付けます。これでベルト穴の幅が決まります。

穴開け作業
 次に、ケースからカバーを外して、2点の印が重なるようにカバーを二つ折りにします。下の写真は2点の印が丁度重なっている状態です。

 次は上で二つ折りにしたカバーのサインペンの印の位置を狙って、穴開けパンチで穴を開けます。この作業が一番重要です。というのは、ただ単にベルト幅の切り込みを入れただけでは、その両端がすぐに裂けてしまうからです。しかしこの様に、ベルト穴の両端が穴開けパンチで丸くくり抜かれていることによって、カバーが裂けにくくなるのです。

切り込みを入れる
 2つの穴が空きましたら、その間にハサミで切り込みを入れます。これでできあがりです。下写真ではサインペンの位置と穴の位置が少々ずれてしまいましたが、このくらいは全く問題ありません。あまり神経質にならずに、作業を行ってください。最悪の失敗でも、カバーはそれほど高価な物ではないからです。



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