時々、工房にいらした方で「私を誰だと思っているんだ~!」という感じで顔を真っ赤にして怒り出したり、または私の言葉に反論し出したり、その逆にふてくされたりする方もいます。

 おそらく、その(薄っぺらな)プライドが傷ついてしまったのでしょう。
 何度でも言います。上達(新たな価値観の吸収)に一番邪魔なのは、プライドなのです。

 私の工房内は、私の考えを聞く場です。逆の事も言えて、私自身、私自身の考え以外は、良いも悪いも発せられないのです。私の工房内は、お客様の考えと議論する場ではありません。

 職場や権力上プライドの高い人は、自分の考えを否定されることを一番嫌います。嫌うと言うよりは、恐れていると感じます。なぜなら、それは自分の否定に感じるからなのでしょう。それがその人の器です。

 本当に凄い人は、「聞く力」がある人です。自分とは違った考え方を、あえて求めるために、外に出向いているのです。だから、外に出向いて、自分の考え方を主張したり、または自分の考え方を否定されて怒り出すような人は、本末転倒なのです。

 もう一度言います。自分の考えとは違ったものを求めるために、外に出向くのです。

 

 さて、ここで「お前は、自分の考えを強引に主張しているだけだろう!」と、思う方も多いでしょう。

 その通りです。私の工房内では、私は私の考えを主張します。私が私の工房内でお客様の話を「うん、うん」と聞いていたら、それはカウンセラーと同じです。お客様は気持ちよいと思うでしょうが、お客様のためには全くなりません。
 逆の事も言えて、私が外に出向いて他人と話をするときには、相手から吸収するように努めています(自分の主張はできるだけ殺します)。なぜならそのために他人と会話をするのですから。

 同じ事は、「修業の意味」とも同じです。修業とは、「自分の考えを一旦しまって置いて、師匠の考えを全面的に受け入れる割り切った期間」です。それによって、自分の持っていない、新たな価値観を手に入れる事が出来るのです。自分の殻に、外からヒビを入れてもらう期間なのです。

 私の工房内にきて、なにか「カチン」ときた方、そのカチンはあなたのプライドの音です。しかし、そのためにわざわざ工房へいらしたのでしょう?

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