オイストラフもコーガンも、ソ連時代の天才ヴァイオリニストです。その演奏の素晴らしさを否定する人はひとりもいないと思います。

 最近私もアナログレコードを再び聴くようになって、彼等の演奏の凄さをあらためて(いや初めて)実感しています。CDからは全く得られない感覚です。

 しかし二人のヴァイオリンの音って違うのです。コーガンの音の方が細いのです。最初は録音によって、たまたまそう感じるのだと思っていましたが、レコードを何枚も購入して聴いたのですが、みな同じ傾向なのです。

 先日、私のお客さんから借りていたコーガンのDVDをまじまじと見て(観察して)思ったのですが、二人の差は弓の性能の差ではないかと感じたのです。

 あまりコーガンの事を否定的に言うのは危険です。天才に否定的な事をいう資格は私には全くありませんし、コーガンを好きな人には良い気持ちがしないでしょうし・・。

 ただ、批判を恐れずに、私の考え方を主張するならば、「演奏の物理的理想」はオイストラフだと思います。コーガンの弓は(おそらく)弱いので、その弓をコーガンの天才的な演奏テックニックで弾きこなしている感じがします。だから音が細いのだと感じました。ただ、コーガンの真面目さは演奏にも現れているので、全ての音をきちんと発音していますだから、音は良いのです。ただ、オイストラフのような太さがないというか、神経質さを感じます。

 これ以上言うのは誤解を招いてしまうかもしれません。私は、演奏家のファンにならないよう注意して客観的に聴いています。本当は二人の演奏にぞっこんなのですが。

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