昨晩、パールマンを取材したテレビ番組がありました。通常の舞台の演奏姿からは見えないような、興味深い演奏のシーンがたくさん含まれていて、とても勉強になりました。

 パールマンの演奏って、弓が力強くググッと吸い付いて、ぶれていない理想的なボウイングをしているのです。私の弓の考え方からすると、このボウイング奏法を行っている人は、弓の性能が良い人なのです。簡単に言えば、「腰の強い弓を、弓を余り張らないで、腕の圧をかけて弾く奏法」です。

 パールマンもまさにそうでした。だから弓が途中でプルプル震えていないのです。上手な演奏家でもそういう「上手なのに理にかなっていない人」は、意外にもたくさんいるのです。

 プロもアマも、天才も普通の人も、多くの演奏者は、物理的な「理」の仕組みをしりませんので(そのような教育を受けていないので)、それらの仕組みを感覚的に理解しています。しかし、感覚的な考え方って、理性的な推論が成り立たないので、とんでもなく勘違いしてしまいがちなのです。

 だから私は常に、「理」の追求と主張しているのです。

 良い弓を手にしたら、自分の音が(実際には奏法が)がらりと変わって、皆さん、自分自身に驚かれますよ。私は嘘はつきません(嘘や張ったりは直ぐにバレます)。

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