世界的名演奏家の演奏はもちろん、その言葉にも説得力があります。誰も否定はできません。

 しかし、私は言い切ります。「名演奏家であっても、演奏の理論を本当に理解できているわけではない」ということを。

 私が最近細々とですが観ている(借り物の)DVD「The Art Of Violin」の中には様々な名演奏家が出ています。そして、その奏法も様々なのです。

 その中で、パールマンがメニューインのボウイングについて説明している場面がありました。ちなみにメニューインのボウイングは、私がよく言う「理にかなったボウイング」です。弓竿の腰が強い弓を、あまり毛をパンパンに張らずに(すなわち、弓の逆反りが残った状態)演奏する技法です。このような奏法によって、下向きの力のベクトルが働き、弓が吸い付くのです。そして、自然な圧力もかかるのです。

 パールマンは、「メニューンは圧力をかけずに、弓のスピードを速く演奏する、ロシアスタイルの奏法・・」と、説明していました。

 あのパールマンでさえ、「理」を正確に理解できてはいないのです。

 もっとも、理解はできていなくても、言っていることは正しいです。観察ポイントは正しいので、感覚的には理解できています。さすがです。

 このように天才たちでさえも、「理」を理解できていません。だから、「凡人(一般人)」はなおさら、「理」を勉強する事を必要とされるのです。しかし、多くは天才のマネをしてしまっています。

 

補足:パールマン(特に全盛期)の奏法も、メニューインと同じ理論の「理にかなったボウイング」をしています。

関連記事: