最近、ELPレーザーターンテーブルの音の素晴らしさを書いていますが、突き詰めた優れた性能の側面には、欠点も持ち合わせています。
だから、私はその欠点部分もきちんと書かなければ、本当の意味での素晴らしさを表現できないのです。
これまで何度か書いていることではありますが、ELPレーザーターンテーブルは万能ではありません。
簡単に言ってしまうと、「盤」を選びます。相性があります。特に古いレコードだとか、旧ソ連のレコードにおいて顕著です。それらのレコード盤の溝規格がバラバラなので、レーザーの反射をうまく読み取れないのでしょう。
また、同じアルバムのレコード盤であっても、個々の状態によって「相性」は全く違います。ある個体だと、ある箇所で必ず再生が不安定になって位相がおかしくなったり、酷い場合には音が二重に聞こえることもあります。しかし同年代の同じアルバムの別のレコードでは、正常に再生できたりするのです。
このような症状の相性問題は古いレコードで見受けられます。おそらく以前の所有者のレコード針が溝に悪影響を及ぼしてしまっているのか、またはプレス自体の盤面の差なのかはわかりませんが、盤面の個体差で生じる相性問題なのです。
このようにELPレーザーターンテーブルは、万能ではありません。しかし、それでもその音の素晴らしさは、これまでのレコードの音の価値観を変えてしまうほどなのです。「今までのレコードプレーヤーでは、レコードの本当の情報を引き出していなかった」という事を実感しています。
補足:ELPレーザーターンテーブルの素晴らしさは、私が録音したこのリンクの音を聴いていただければ、下手な説明よりも直ぐに理解していただけることでしょう。
補足2:上で、ELPレーザーターンテーブルが「盤を選ぶ」と書きましたが、その逆に、通常のアナログレコードプレーヤーで盤面の傷が原因のプツプツノイズが出るものが、ELPレーザーターンテーブルでは綺麗に再生出来る場合もあります。ここに一例をあげておきます。
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