少し前に、私の工房のお客様から「このCDご存じですか?」と、”The Violin of David Oistrakh, Stradivari Conte de Fontana 1702″という興味深いCDを紹介されました。

 そこで早速購入しようとしたところ、2003年くらいに限定で発売されたCD(解説書付き)らしくて、もう売っている所はありませんでした。

 しかし中古CDでもよいので諦めずに探していたところ、外国のショップで新品を売っているのを発見!早速輸入購入しました。プレミア価格がついていない数千円という通常価格(?)で購入できたのでラッキーでした。

 このCDの興味深いところは、オイストラフの演奏だけでなく、同楽器を使用したオイストラフを含めた5名の演奏家が、1961年~2002年にかけて5演奏を録音しているという「楽器主役」のCDなのです。

 CD箱の中には、充実の解説本と、ストラディヴァリ”Conte de Fontana 1702″のポスターが入っていました。

 CDを軽く聴いてみた感想は、CDとしての音はそれほど良くはありません(普通の人が聴いたら良いと感じるのかな?)。私がレコードで聴くオイストラフのイメージとけっこう違います。

 興味深いのは、録音年代も違い、演奏家も違い、そして楽器に張っている弦も違っているはずなのに、収録されている楽器の音がどれも似ているのです。もちろん同じ楽器を使っているので当然とも言えるのですが、ここまで同じ傾向の音になっているに少し驚きました。

  メニューインだったか誰か著名演奏家が、オイストラフの使っているストラディヴァリについて、「あのストラドはあまり音が良いものではないけれど、弾き手が凄いから良い音がする」みたいなコメントを残しています。それから推測すると、あまり響きの良くないストラドだったのかもしれません。それで、CD中の音もどれもイマイチなのかもしれません。もちろん、悪くはないですよ。普通の人が聴いたら、良いと感じるとおもいます。

 いずれにせよ、貴重な資料CDであることには間違い有りません。もっと聴き込んでいくと、もっと見えてくるものが出てくると思います。

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