以前にもSONYの小型ビデオカメラ”HDR-MV1″の事を紹介した事があるはずです。このビデオカメラ、とても小さなビデオカメラなのに、写真を見れば判ると思いますが、録音品質にも拘った製品なのです。

 大体のコンパクトカメラって、音に関して「録れていれば、それで十分」くらいです。

 このビデオカメラの潔いくらいの「割り切り」を感じるのは、次の点です。

  1. マイクへの拘り。
  2. コンパクトな本体。
  3. ズームが付いていなくて、ワイド画角のみの撮影レンズ。
  4. 外部SDメモリが使える。

 これを見ただけで、どれほどマニアックな製品なのかが判ります。ただしそれは、一般的に活用できるビデオカメラではないという事でもあるのです。

 例えば、私が考えるこのビデオカメラは、「練習撮影用」です。ワイド画角なので、演奏する自分の近くに何となく立てておけば(またはクリップスタンドで固定しておけば)、カメラの向きを微調整しなくても何となく撮影できるのです。

 逆の事も言えて、このビデオカメラで発表会は撮影できません。ワイド画角なので、演奏者がとても小さく映ってしまうはずです(ズーム機能もありませんし)。音は良いのですが。

 こんなマニアックな製品だからなのか、売れなかったのでしょう。発売が終了してしまいました。

 さて本題です。先日、私がよく行く中野の中古ショップを眺めていたら、このビデオカメラが売っていたのです。そこでヴァイオリン教室での活用を妄想してみました。
 この小型ビデオカメラを教室にセットしておいて、毎回生徒が自分専用のSDカードを持参して、自分のレッスン光景を撮影して(先生は映るの嫌がる方が多いので、可能な限り自分だけを撮影します)、自宅でそのチェックが出来るようになると考えたのです。

 しかし、頭の中で直ぐに却下しました。もしもそういう「レッスン光景」を撮影したとしたら、家に帰って、おそらく「自分の音」を聴いてしまうはずなのです。

 私のこの発言は矛盾しているように感じるかもしれません。「良い音を録音できる練習専用のビデオカメラ」でレッスン光景を撮影して、自宅で自分の音を聴いてなぜ悪いのか?

 もちろん「音」を聴いて悪くはないです。しかし、出ている「音」は結果論なのです。すなわち、練習において重要な部分は、音以前の部分にあります。

 例えば、「姿勢」とか「弓のブレ」、「弓の角度」、「先生の注意」などです。

 ところが、撮影した映像に音も録音されていると、おそらく、無意識にその音を聴いてしまうはずなのです。「下手な音」を聴いてしまうと思うのです。下手をするとその下手な音の印象に打ち負かされてしまって、それ以外の重要な部分が見えなくなってしまう可能性もあります。ビデオ映像を見ることが、悪影響に繋がってしまう可能性もあるのです。

 そう言った意味では、もしかしたら、音が無音の映像だけの撮影の方が良いのかもしれません。

 

補足:これはヴァイオリン教室での(仮想)話です。自宅での個人練習(完全に独りで)の撮影は、このビデオカメラで効果がでるはずです。

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