昔からそういう人は居たものですが、最近は特に「知ったかぶりの勘違い者」が多いです。本人は、自分が色々と知っている(判っている)つもりですし、自分自身に不都合も不満も感じていなければ、それどころか親切心で他人にアドバイスさえしたりしているのです。

 なぜこのような「知ったかぶりの勘違い者」が多いのかというと、これも悲しいかな、現代がインターネット社会になってしまった弊害なのです。もう一つは「高学歴社会」の弊害です。

 以前なら、知らないことは、知っている詳しい人(専門家)に会って「訊いて」教わるのが普通でした。しかし今は、自分がネットで調べてしまうのです。そして、これまで何度も書いたことですが、ネット検索とは「自分自身の考えの肯定行為」でしかないので、自分自身の価値観が広がらないのです。すなわち、自分自身を否定できないのです。
 もう一つの「高学歴社会の弊害」とは、すなわち自分自身のプライドが高く、人に素直な気持ちで訊くという行為を恥だと思っている人が多いのです。人に訊いて自分の考えを変えるということを、自分の負けと勘違いしている人が多いように感じます。

 楽器や弓選びは当然として、ケース選び一つとっても、自分で選ぶケースと、私がお勧めするケースとでは価値観とか世界観が全く違うのです。皆さんが思っている以上に、ケースだけでも奥が深く選ぶのが難しいです。だから、ネットなどで安易に(余りにも安易すぎます!)購入しないで、きちんとした楽器店で「ケースの説明を受けて」購入すべきなのです。

 細かいことを言えば、松脂一つだって、音叉一つだって、きちんとした説明とそして納得(新しい世界観を手に入れる感動もあればさらに良いことです)の上で購入すべきなのです。

 そのためにも、是非とも楽器店に通って、そして専門家に質問をしてください。ネットでなんか絶対に買ってはいけません。例え販売価格が安くても、「お金に換えがたい本当に必要なもの」を手に入れることができずに、結局は損してしまうからです。

 皆さん、こう言うとカチンとくる方も多いかもしれませんが誤解を恐れずに書きます。「皆さんは、自分が思っているほどには、弦楽器の事、演奏の事を判ってはいません」 だから、その自分自身を否定(矯正、指導)してくれる人(場所)を探して、そして通うのです。あなたの、その薄っぺらなプライドさえ捨ててしまえば(いや、捨てなくても、とりあえず仕舞っておいてもよいのです)、新たな価値観や世界観、そして新たな自分自身を発見できるのは、それほど難しいことではありません。

 なにも私の工房に来るべきだとは言いません。皆さんがこれまで通っている工房や楽器店に、より一層頻繁に通って、そしてそこで質問したり購入したり、注意されたりして、人と人との信頼関係を築いてください。

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