時々、「絶対音感が優れているのはヴァイオリニストだ」とか「いや、ピアニストだ」とかの議論をしているのを聞きます。または実際にヴァイオリン弾きが、ピアノ弾きの音感の鈍感さを皮肉っている話を聞いたことがありますし、その逆にピアノを弾く人が「ヴァイオリンの音程って・・」という話も聞いたことがあります。

 結局のところ、どちらが優れているのか?? もちろん答えは「人によります」です。当然です。

 ただ、「人によります」ではつまらないので、一般論として考えてみると。

・ヴァイオリン弾き:演奏技法の難しさ的に大きく音程を外した音を出して演奏をすることも多い(特にアマチュア奏者は)。または、その人の癖で、全体的に上ずった音程で引き続けたりする人もいます。このような音程の狂いをピアニストは気持ち悪いと感じるようです。
 一方、和音の微妙なピッチなどにたいしてとても敏感です。

・ピアノ弾き:いわゆるピアノの調弦(調律)の音程の範囲では、絶対音感はとても敏感です。しかしその逆に、ピアノの調弦の範囲以下の音程の狂いに対しては「へっちゃら」のようです。平均律の和音の濁りとかに対して、一々違和感は感じていないようです。

 このように、ピアニストは「ピアノの調律の音程の範囲を外れた音程に関しては、極めて敏感」で、ヴァイオリニストは「時々音程を外してしまうこともあるが、きわめて微細な音程感(特に二重和音)に敏感」といえるのです。

 また別の言い方をすると、ピアニストは和音(コード)の訓練をしていますから、音をぱっと弾いただけでその和音を当てることができます。素人からすると「絶対音感」なわけです。ところが、微細な目で見ると、その和音の音程(例えば調律)が僅かに狂っていてもあまり気にならないようです。この点はヴァイオリニストの方が神経質で音程感は高いと思います。

関連記事: