あるチェリストとの話の流から、エンドピンストッパー板の話になりました。最近は多くのホールでエンドピンを舞台に直接刺すのが禁止になって、結構苦労しているということでした。つい最近、別のアマチュアの方も同じ事を言っていたので、プロでも同じように苦労しているのだと理解できました。

 その方はある既製品をいくつか試したのですがどれもダメで、それで私に話をふってきたのです。私も以前から、「音が良くて(劣化しないで)、しかし滑らないエンドピンストッパー板」の構想を持っていたので、そのアイデアを話してみたのです。

 それで、結局製作の依頼を受けることになりました。音質についての重要なポイントは、エンドピンの先端がぶれないことです。ポイントとなるのは

・椅子にひもで固定するタイプは、横にずれるので嫌とのこと。
・エネルギーのロスが少ない(熱に変換されにくい)
・床とのビリ付きが無い。
・床との滑りが可能な限り無い(演奏に大きく影響する)。
・エンドピンの先端を傷めない。
・エンドピンの先端がぶれない(音に大きく影響する)。
・ある程度の重さが必要。
・舞台だけでなく、カーペット床の上でも使えること(そのような場所での演奏も多いらしいのです)。
・製品の厚みがあまり厚くならないよう(演奏のバランスが崩れるので)。
・持ち運びがしやすい(可能ならば)。

 とても難しいですが、丸二日間かけて作ってみました。金属板と木材と、薄いゴムとの3層ハイブリッド構造です。ちなみに、見た目の「うけ」を狙う場合、このような製品には杢の綺麗な楓材を用いるのですが、今回は音質最優先のために、外観は安っぽくなりますがあえてバーチ合板を使いました。

 私がテストした範囲では、予定通りの性能です(依頼者の実際の使用で微調整するかもしれませんが)。しいて製品名を付けるとするならば” Die Zauberplatte”か!もちろん、冗談です(Die Zauberflöte魔笛のパクリ)。

 ちなみに、とても手間が掛かりますから、「私にも作って」というのはお受けしません。そのチェリストからも、制作費はある程度掛かってもよいという依頼です。

 

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