楽器内部点検用のLEDライト製作
2010年9月17日 ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗
これまでの点検用ライト
楽器内部を点検するときには、f孔からライトを差し込んで、楽器の内部を明るくして点検します。下写真のような専用のライトがあります。これはこれで悪くないのですが、強いて言えば次のような欠点があります。
・明るさが若干足りない。
・片手でライトを持ちながら点検をしたり、作業をしたりしなければならない。
・電池の消耗が激しい。
上写真のようにライトを手に持って作業しなければならないので、片手が占有されてしまうのが最大の欠点です。
LEDライトの製作
以前からアイデアとして持っていた「両手が自由に使えるLEDライト」を作ってみました。両f孔から同時に差し込んで照明できるように、白色LEDを2つ付けることにしました。こうすることによって、明るい照度が得られるだけでなく、影が出でにくいので理想的な内部観察ができると考えたからです。
「LED点灯回路(RFADテクノロジー WL0108 )」は既製品が売られています。使用した白色LEDは「日亜化学工業 5mm NSPW570GS-K1(b2W)」。
完成写真(LEDに光拡散キャップを被せているので、光が柔らかく廻っています)
LEDライト自体が非常に軽く、さらにケーブルも柔らかいので楽器を傷つけることがありません。
上写真のように、2つのLEDライトをf孔に引っかけるように差し込むと、楽器の内部を均等に照らすことができます。両手が完全にフリーになるので、作業形態も大きく広がりました。
またLEDライトは熱をほとんど出さないので、撮影などの長時間の照明においても、楽器に負担をかけなくてすむようになりました。さらに電池の消耗も小さいので、経済的なメリットも大きいです。