ヨーロッパからのインターネット接続3

2006.7.7 ドイツ・ヴァイオリン製作マイスター 佐々木朗

これまでのインターネット接続
 これまでのドイツ出張時に、現時からのインターネット接続の試行錯誤は「1.ドイツからのインターネット接続」と「4.ドイツからのインターネット接続2」について書いていますので、詳しくはそちらを読んでください。
 まとめて簡単に書きますと、高級でない普通のビジネスホテルにおいては、原始的なモデムに頼るしかなかったというのが実状でした。さらにモデムを部屋のビジネスフォンに接続するための裏技さえも必要としたのです。もちろん設備の整ったホテルではモデム用のコンセントが付いていたり、またはLAN回線が設備されているところもあったでしょうが、しかし私の経験上はそのような設備は高級ビジネスホテルにしか無い雰囲気だったのです。
2006年、ようやくモデムの時代も終わった
 今回の出張でもこれまでと同じように、無線LAN接続の普及に期待しながらも、しかし最終的には例年と同じようにモデムが活躍するだろうと思っていました。しかし良い意味で期待を裏切られました。すっかり無線LANが普及していて、モデムは一度も使わなかったのです。「もうモデムの時代は終わった」と確信したドイツ出張でした。ただし、無線LANの接続方法、支払い方法にもいくつかあり、その場その場でのノウハウは必要です。
アムステルダム・スキポール空港
 スキポール空港はヨーロッパ有数の大空港という事もあり、以前からインターネット接続環境は整えられてはいました。簡単に分類すると次の3つの接続方法があります。
 1.空港内のネットカフェのパソコンを使ってインターネット接続(日本語入力に難あり)。
 2.空港のネットカフェで、無線LAN接続の接続カード(パスワード)を購入して、自分のノートパソコンからWi-Fi接続。
 3.国際ローミングサービス(i Passなど)を利用して、ノートパソコンからWi-Fi接続。

 数年前までは国際ローミングサービスもモデム接続だったために、まずは肝心のモデムを差し込むコンセントを探すことが先決でした。そしてそれこそが簡単そうで、じつは大問題だったのです。しかしこの1〜2年で無線LANアクセスポイントが急速に普及し、インターネット接続の大問題が解消してきました。

 スキポール空港での待ち時間の間、私は最初はiPassの国際ローミングサービスを利用してインターネット接続を行っていました。しかし1回インターネット接続を行うごとに100円くらいかかりますから、2〜3回も接続しているうちにバカバカしくなってきました。そこでスキポール空港の「インターネット接続サービス」を利用することにしたのです。これならば1日接続料金が10ユーロなので、例え2〜3時間しか利用しなかったとしても十分に元が取れます。何しろ、一旦この利用券を購入したら接続し放題ですから、インターネットの接続料金にビクビクしなくても良いというのは実に気持ちがよいものです。
 メールのやり取りの後、自分のホームページのメンテナンスをしたり、いつも見ているホームページやブログなどをじっくりと閲覧することもできます。いつもならば退屈してしまうスキポール空港の待ち時間も今回はあっという間に過ぎてしまいました。モデム接続よりもアクセススピードもでますから、画像のアップロード、添付ファイル付きのメールの送受信なども簡単にできてしまいます。

アムステルダムのホテル
 今回宿泊したアムステルダムのホテルは、コンセルトヘボウの隣にある「」でした。どちらかというとお手軽料金のホテルですが、ここにもWi-Fi接続のシステムがありました。これはホテル自体のアクセスポイントで、10ユーロ/半日(連続利用可)でした。利用方法はスキポール空港のそれと同じで、ホテルのフロントで利用カード(パスワードが書いている)を購入し、自分のノートパソコンから届いている無線LANのアクセスポイントに接続します。そうするとパスワードの入力画面が現れるので、そこにカードに書かれているパスワードを入力するとインターネットに接続可能になるのです。
ニュルンベルクのインターシティホテル
 ニュルンベルクのインターシティホテルは最近の私の定宿の1つですが、これまではWi-Fi接続ができないのが難点でした。しかし今回は事情が変わっていました。おそらくドイツ・ワールドカップサッカーに向けて、ホテルのシステムを改善したのだと思います。朝食の開始も少し早くなり、ますます便利になりました。
 ここのWi-Fi接続も基本的にはアムステルダムのそれと同じです。ホテル独自のアクセスポイントで、ホテルのフロントで利用カードを購入し、入力画面にパスワードを入力するのです料金は9ユーロ/5時間です。しかしここの接続サービスの良いところは、断続利用が可能だと言うことです。普通ならば一旦利用開始すると、その時点から半日とか、数時間とかの契約になるのです。しかしここのサービスは断続利用可だったので、5時間という接続時間は3日間の滞在中の使用に十分な時間数でした。
ミュンヒェンのホテル・ゲルマニア
 ミュンヒェンのホテル・ゲルマニアにはホテル独自のWi-Fiシステムは有りませんでした、しかしフロントにはちゃんと「T-ComのWi-Fiアクセス」のチラシが置いていたので、Wi-Fiアクセスができるということはすぐにわかりました。これもワールドカップの効果かもしれません。ちなみにホテルのフロントに訊いたところ、ホテルでは前記のようなT-Comの利用カードは取り扱っていないということでした。
 さっそくノートパソコンから届いている電波でT-Comのものを探し、アクセスしてみました。利用はクレジットカードでの利用可なのですが、その料金にビックリしました。8ユーロ/1時間なのです。さらに連続利用しかできないので、1時間以上経ってから別の用件ができたときにはもう1度8ユーロを払わなくてはなりません。これには少々参りました。
 しかし良い方向に捉えれば、たとえ料金が高くてもノートパソコンからインターネット接続ができる時代になったという事は嬉しいことです。
まとめ
 今回のドイツ出張ではいつも持ち歩いているモデム+接続機材を一度も利用しませんでした。使ったのはノートパソコンと内蔵の無線LAN機能だけでした。これでモデムの時代は終わったと、ようやくホッとしました。
 あとはWi-Fi接続ポイントのさらなる充実と、利用料金が安くなることを願うばかりです。

戻る