最近、海外在住の方(日本人)がわざわざ、弓の事で工房にいらしてくれることも多いのです(正確に言えば、「多い」と言うよりも「かなり増えた」という方が正しいです)。

 先日いらした方は、お子さんが日本で言うところの音高生(それとも音大生?)という感じなのか詳しい事は知りませんが、いずれにせよヴァイオリンを真剣に考えていらっしゃるご家族でした。

 素晴らしいと感じたのは、お子さんの理解力でした。私の説明することを、的確に把握していると感じました。素直な若い子の吸収力の高さに、感心しました。

 たぶんその理解力の高さの理由は、親子ともども、変な日本の業界の常識にとらわれていなくて、中途半端な見栄とかプライドとか、しがらみとかも無く、素直に「理にかなっている事こそが、真である」考えることが出来るからだと思います。

 日本の演奏教育環境でどっぷりと育ってきた音高生・音大生だと、もっと見栄とかプライドとか、間違った知識とかを持っていて、なかなかこう素直に人の言うことに耳を傾けないものです。

 

 遠くからいらしてくださって、楽器も弓も気に入ってくださって嬉しかったのですが、これからのメンテナンスの継続性とかの事も考えると、手放しで喜んでもいられません。その点は不安です。私は、売るだけの無責任商売はしませんし、その逆に、買うだけで、その後のメンテナンスに私の工房に通えない人には(無責任に)売りたくはないのです。

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