楽器のグレードアップの話になると、「現在使っている楽器をどうしたら良いか?」という話題になります。

 お子さんがいる場合には、将来お子さんが使う事になるであろう、と言うことでさほど迷ったりはしません。

 問題なのは、「下取りとか、または知人に売って少しでも資金にしたい」という方です。私も色々と資金繰りには困っていますので、その気持ちは痛いほどわかります。

 しかし、私が業者として客観的に、厳しい言葉で言えば、「自分が必要ない(買い替える)楽器や弓は、他の人にとっても必要ない楽器」です。さらに、自分にとっての大切な、大切な想い出は「他人にとっては、価値ゼロ」です。

 すなわち、他人にとっては感情的な意味はゼロの、単なる中古の楽器でしか無いのです。だから、所有者が思っているよりも、はるかに「売値」は低くなるものです(それ以前に、買値自体が高すぎていることがほとんどです)。

 だから私はこうアドバイスします。「想い出のある大切な楽器だからこそ、かなり安く売って、次の所有者に満足してもらって使ってもらう方が、はるかに意味のあることです」と。

 すなわち、「少しでも高く売ろう」なんてセコいこと考えてはいけません。

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