チェロの方って、ご自分の楽器の音に自信がある(ご自分のチェロの音に満足している)方がほとんどです。

 だからヴァイオリンの演奏者のように、「より良い楽器にグレードアップを」とならないのです。なぜならば、チェロって構造的に有利なので、音が出やすい楽器だからです。だからどのレベルの楽器でも、そこそこの音に感じてしまいます。

 さらに、(これを言うとチェロの方々から嫌われるでしょうが)チェロって、そこそこの演奏技術でもいい感じの雰囲気の良い音が出ます。だからアマチュアの方でも、ちょっと上手な方はマエストロになったように酔いしれてしまうのです。

 一方ヴァイオリンの場合には、4、5歳から演奏を続けている人なんてざらですし、周りにも上手な方は沢山居ます。さらにヴァイオリンのプロの演奏者人口も多いです。だから、周りを見渡すと、上手な方々、良い楽器は沢山存在するのです。だからお山の大将になりにくいのです。

 上記の内容は、チェロ奏者批判と思われるでしょう。しかし、多くのチェロの演奏者が良いと感じている音は箱鳴りの楽器だったりしているのです。不健康なチェロを購入してしまっている人が沢山いらっしゃるのが、とても残念に感じています。

 だから「購入するしないに関わらず、勉強のためにもチェロや弓の試奏にいらしてください」と主張しているのです。

 チェロという楽器の本当の音(表現力)はもっと高いところにあるからです。

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