私は小さい時から工作が好きだったので、中学入学して初めて受ける技術の時間も大好きでした。男子だけの授業というのが、今の生徒にとっては不思議だと思いますが、当時はそうでした。
私が技術の授業で、今でも思い出深いのは「製図」と「鉄加工」です。
製図に関しては、製図板に紙を貼って、T定規とか、ディバイダーとかを使って丁寧に製図をすると、「あ~ら不思議!」まるで、自分が描いたとは思えないような立派な図面が出来上がる不思議さでした。
もう一つ思い出深かったのは、鉄の棒を高熱の火であぶって真っ赤に熱して、金槌で叩いて平らにして、先端を曲げて、削ったりして最終的に「カギノミ」という道具を作ったことです。カギノミとは海に潜って、貝を剥がし取ったりする道具です。実際に、完成した道具を海で使いました。
なぜ思い出深いのかというと、硬い「鉄の棒」が、自分の手によって製品になったからです。「鉄も加工できるんだ」と、不思議な感覚を得たのです。
中学校の技術の時間は大切です。