私達の時代と違って、今は「技術科」と「家庭科」が一緒になっているので、私の娘も技術科の授業を受けています。しかし、それにしても内容が私達が習っていた頃と比べて低レベルなのにがっかりします。
文部科学省は「技術・家庭科なんて最低限で十分」と思っているのでしょうね。しかしそれで「物作り日本」の基礎をどこで学べというのでしょうか?事実、現在私が専門家として仕事に使っている技術の多くが、中学生の技術の授業で習ったものです。
私はよく「この先日本の技術力はどうなってしまうのか?」と書いています。若者が「突き詰めた、高度な技」を学ぼうとしないのです。ほどほどのレベルで十分と思っているのでしょうか?辛い修行をしてまで求めたいとは思っていないのでしょうか?
私の工房のお客さまのある編集者(私はそれまでその方の職業を知らなかったのですが)に、「お仕事で一緒だった、***さん(有名な技術者)も佐々木さんと全く同じ事を嘆いていましたよ」と言われました。やはり皆同じ事を危惧しているのです。
よくテレビなどで「日本には高度な技術力・職人技があるから大丈夫!」というようなピントのずれた解説を耳にします。しかしそれは大きな間違いです。日本という国が技術を持っているわけではないのです。持っているのは、「必死になって技術力を身につけてきた『人』」です。日本人が他の国の国民と比べて、特別に手先が器用というのも間違いなのです。全て「必死になってやってきた先人達(昔の『技術科』などの学校教育も含めて)」の努力の賜物でしかないのです。
次の世代がそれを引き継がなければ、引き継がさせなければ、日本という国に残された道は他国から労働力として利用されるだけです。
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「最近の若者は」と、嘆いてばかりいても何の解決策にもなりません。それでは何をすべきか?それは、自分が「嫌われ役」に徹すればよいのです。
・(ちょっと本来の意味とは違うのですが)打たれるのを覚悟の上で「出る杭」になる(目立つという意味ではなく、他人からの批判を覚悟の上で行動にでることができるか?裸の王様に、「裸だよ」と言える勇気があるのか?)。
・信念をもって他人を叱る(叱ったら、まずは嫌われます。それは覚悟の上です)。
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