先日、工房のお客様のヴァイオリンの先生の紹介で、(失礼ながら)初級者クラスの方が、「本物」のヴァイオリンと弓を購入してくださりました。
「本物」というのは、きちんとした作りの新作の手工ヴァイオリンと弓という意味です。価格もそこそこしますし、現時点ではこの性能はオーバークオリティーと思われがちです。
だから多くの方は、最初に安物を買って、その性能が後々足を引っ張ってしまうのです。
例えば、料理をするのに安物の切れない包丁を買ったとします。それで(趣味でも)調理を勉強をしたとしたら、効率よく技術を修得できるでしょうか? トマトも切れないような包丁だとか、刺身がグチャグチャになってしまう包丁を使っていたら、最悪、調理するのが嫌いになってしまうかもしれません。
「新品で買った包丁に、そんな酷いのは無いよ!」と、ツッコミがあるかもしれません。
しかし、皆さんが知らないだけで、楽器や弓の品質の違いは、上記の包丁の例えくらいの差があるのです。これは上級者が購入している高い楽器についても言えます。
だから私は、「最初は高いと感じるかもしれませんが、信頼できる技術者の紹介する楽器や弓を、信頼して購入しましょう」と訴えているのです。ちなみに「本物」という中身には、仕入れ技術、調整技術などの意味も含んでいます。
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