少し前に「もう手に入らない粒ニカワ」とう記事を書きました。
先日ある楽器が修理にやってきたのですが、ものすごく臭いのです。ニスのにおいなのか、何が原因なのか調べたら、使用しているニカワのせいでした。質の低いニカワを使っていたので、特に日本の気候にあわなくて腐りかけていたのです。
「もう手に入らない粒ニカワ」以外を使用していると全てこうなってしまうというわけではないのですが、将来が不安ではあります。このような楽器が更に増えてしまうのではないかと。
技術のある刃物メーカー(鍛冶屋)もどんどん廃業してしまっています。弟子用にと良い道具を購入しようとしても、良い道具はそう簡単には手に入らない時代になってしまったのかもしれません。
空気や水と同じで、当たり前だと思っていたものが、無くなって初めてそのありがたさや偉大さを感じるのです。
しかしそれでは遅いです。「無くなってもらっては困る」というものを、意識して、自分たちが育てるくらいの気持ちが必要です。
前にある地方の学生さんから「学校の近くに小さな楽器店があるが、そういう所で弦を買っても良いのか?それとも量販している通販業者とか、または大きな楽器店などから購入した方が良いのか?」という質問を受けました。
私の答えは「その楽器店が無くなって欲しくないのだったら、そのこ店から購入すべき」というものでした。ユーザー側が、自分にとって必要な店や業者を守り・育てるということも、ある側面では必要です。