夜、チェロの弦が緩みやすい方は

　日中の暖房をつけている時と、夜の練習室の室温低下の寒暖差によって、毎日チェロの弦が緩んでしまう方もいらしゃると思います。

　もちろん練習室の暖房を夜中でも付けているのが理想ではありますが、経済的になかなかできるものではありません。

　以前にきいた話ですが、私の工房のあるお客様は、温度計測ロガーを活用して、事前に室温やケース内温度を念入りに調査した上で、電気毛布でチェロケースを「消極的に温度管理」する方法を採っているそうです。それによって、チェロの弦が緩むことはなくなったそうです。

　ただし、この方法は誰にでもお勧めできるものではありません。なぜならば、上記お客様は、徹底的な事前実験を行った上で、丁寧な温度管理を行っている方だからこそ出来ていることだからです。特殊な事例と言ってもよいでしょう。

　さて、それでは誰にでも出来る方法は？　というと、厚手の毛布でチェロケースを包んでおく方法です。これだけでも、ケース内の急激な温度変化が起きにくくなるので、僅かでも効果はあると思います。