これまでに私は何度も言っていますが、演奏者(プロもアマチュアも)に楽器や弓を見極める能力はありません。なぜならば、そのような専門的教育(勉強)を受けていないからです。

 殆どの自負心のある人(悪い意味でのマニア、または勉強熱心の人)は、「自分は判っている」と思い込んで高価な楽器や弓を購入してしまっていますが、それらって、自分の価値観の内側の性能でしか無いのです。厳しい言い方をするのなら、「井の中の蛙」です。

 自分の価値観や考え方、または殻を破るような考え方、判断は、自分では行えないのです。

 だから他人(専門家)を頼るべきなのですが、そのような人ってプライドが高いので自分を信用しきっています。

 さて、それではどうやって良い楽器や良い弓を自分に引き寄せるのか?

 それは人との縁です。そして人との縁をたぐり寄せる要素は、自分自身の人柄なのです。

 相手の話を聞く耳、相手を尊重する態度、そして知ったかぶりしないこと。

 これは何も、他人を無条件で信用すべきと言っているのではありません。世の中には詐欺師みたいな人もたくさんいます。程度の低い商売をしている人もたくさんいます。

 ただ、誰しも人を見極める能力や勘は持っているはずです。

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