これまでに私は、「良い楽器の発音は、響板をドライブするときの抵抗感がある」と説明しています。これは自転車で例えるのなら、重いギアで漕いでいるときの抵抗感覚です。
一方で私は、「カントゥーシャ作の楽器は全音域でのレスポンスが凄いので、音の響きが素晴らしい」とも書いています。
この二つの内容を混同して、「矛盾している」と思われている方がいらっしゃるようです。また、これらの二つの内容を混同して、自転車の軽いギアでペダルを高速回転している様な状態を、「発音の良い楽器」と勘違いしている人もとても多いのです。
本当に良い楽器とは、ドライブした瞬間に若干の抵抗感を感じ、それを丁寧な摩擦力で押した時(ドライブしたとき)、音が軽やかに出る楽器なのです。鳴りの悪い楽器とは根本的に違います。発音特性の悪い楽器とは、それは構造的な問題だからです。
そしてその楽器の性能を的確に発揮するためには、弓の性能から、楽器の様々な調整、理にかなったボウイング等々、一貫した縦の理論が必要となります。
それを説明できたり、それを実行出来るのが技術力です。
多くの上級演奏者(プロもアマチュアも)は自分に自信があるようですが、そういう方に限ってとんでもない勘違いをして、生涯勿体ない努力を続けていると、私は感じています。能力と努力が勿体ないです。
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