ちょっと前の事ですが、林さんとちょっとしたゲームというか訓練というのかを行いました。それは在庫品の5本の弓(それも近い品質の)を並べて、目をつぶって短時間に竿の強い順に並べるというものです。

 弓の仕入の特に重要なのは、出来るだけ短時間に、主観を入れないで、機械的に判断する事なのです。なぜならば何十本もある弓を前に考え込んでしまうと、わけがわからなくなってしまって、本質が見えなくなってしまうからなのです。

 さて、実験です。私自身、このような自分自身を試すような実験を意図的に行った事は無かったので、ちょっと緊張しました。自分の感覚の誤差が大きかったらどうしようかと。

 試行はできるだけ瞬間的に行い、5本の弓をパッと並べました。目をつぶって弓をチェックする行為自体がちょっと不自然だったので、その点は非現実的でしたが、まあ今回は実験というか、お遊びです。結果、5本全部的中です。

 次は林さんの番です。林さんはちょっと時間をかけて、「う~ん」と迷いながら並べましたが、林さんも全て的中。人間の感覚とは凄いものです。

 逆に、見るポイントさえ脳が理解できていれば(すなわち弓の理論をきちんと勉強さえすれば)、ほとんどの人にも判る事なのです。もちろん、弓の性能にはそれ以外にも色々な要素(重さとか重心とか、作りの精度とか)がありますから、弓竿の強さだけが性能とは言いませんが、弓竿の腰の強さが一番重要なポイントである事は断言できます。

 今回の実験というか訓練というかの試行においても、「う~ん」と迷うこともあったのです。そう言った微妙なときにも、私が昨年導入した「荷重ー変位測定器」で客観的に確認することができることはとても重要です。高かったけれど、導入して良かったと思っています。

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