高円寺で一番大きかった文具店が閉店することになり、ここ数日は閉店セールで賑わっています。皮肉なものです。
価格は安くはなかったけれど品揃えもそこそこあって、私はよく利用していたのに、これから不便になります。店に来ていた人も、同じように残念がっていました。
店の人の話では、「最近は皆ネットで買うし、100円ショップもあるし・・・。店は間貸しすることにしました」との事です。
これは人ごとではありません。私の工房も同じ運命を辿ることになるのでしょうか?
実は、毛替えや、ちょっとした修理・調整だけでは工房を運営することはできないからです。商品(楽器や弓はもちろんのこと、ケースや弦に至るまで)も一緒に買ってくれるお客様がいるからこそ、手間の掛かる「技術」を追求できるのです。
「じゃあ、あなたはAmazonとかのネット通販は利用していないの?」と訊かれたら、「利用しています」です。ただ、「安いから」という理由では利用していません。また、購入後の「技術」を必要とする物は、そのお世話になるであろう店で購入することにしています。なぜなら、それが一番私にとって「得」だからです。
このように私は「ネット通販」を全否定はしていません。皆さんの「本当の意味で得になる」店で、購入すればよいのです。そしてそれが私の工房であるのだったら、私は技術者としてそんな幸せなことはありません。