以前私の工房で勉強して、今は独立している伊藤君が工房に来てくれました。弦楽器製作者協会の総会で顔を合わせたときには簡単な挨拶くらいはしていましたが、じっくりと話をしたのは6年ぶりくらいです。

 彼の工房の仕事も家庭の事も順調そうで、私としては何も心配する事はなさそうに感じました。しかし、彼は彼なりに色々と仕事関連の悩みとかあって、それで何か壁を越えるためのきっかけ探しのために、私の工房を尋ねてきたのかもしれません。

 私がアドバイスした事は、
・見栄を張るな、正直であれ。
・他の同業者の違った技術を勉強するのは良いが、憧れてはいけない。
・安い技術料は自分の首を絞めるだけで、最終的にお客のためにならない。
・次は自分が弟子を育てるなどの義務を果たさなければ。
・弦楽器製作者協会にもっと積極的に関わって(実行員になるとか)、年齢を超えた横のつながりを広げては?

・・・等々。一人で仕事をするって、精神的にもしんどいものなのです。

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