私は当工房のホームページやブログだけでなく、私の工房のお客様にも常日頃から、肉薄の軽量ケースは良くないということを主張しています。しかし、焼け石に水で、私の工房に通っているお客様でも他店からそのようなケースを買ってきてしまう方が多いのです。残念というか、無念というか、自分の信用の無さに虚無感さえ感じてしまうこの頃です。

 昨日にもある方がその手のケースを購入してきたのですが、工房に到着して楽器を取り出すと、ポカポカと温かいのです。私もたくさんの楽器を扱いますので、経験上感じますし、またそれを実証するために高価なサーもカメラまで導入して検証実験も行ったのでわかるのですが、肉薄の軽量ケースって、外気温の影響を受けやすいのです。
 もちろん、楽器が多少の外気温の影響を受けたからと言って、即壊れてしまうことはありません。しかし、楽器を良い状態で維持するというのは、微細な影響の積み重ねなのです。

 ご自分の大切な楽器を守れるのは、所有者の意識だけです。「自分のための楽器ケースではなく、楽器のためのケース」を購入しましょう。

 しかし、こんなことを言うと、「めんどくさい」と思われて、ますます通販とかで買ってしまうのですよね。悪循環なのか、そうでないのかさえもわかりません。

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