ドイツのカントゥーシャ工房にいたときに手書きで書いていたベリヒトシュリフトを、帰国後に少しずつAdobe IllustratorやIndesign等を使って清書していました。当時弟子の伊藤君や林さんにも手伝ってもらいました。
少し前に、ようやく、最低限の部分においては完成したので(本当の完成はまだまだですが)簡易製本しました。挿入イラストを一つ一つ、そして一頁一頁、地道に制作してきたのですが、もう130頁以上にもなりました。頁をパラパラめくると、ちょっと感慨深いものがあります。
林さんが工房を出て行く時に、このベリヒトシュリフトも渡して、ついでに伊藤君にも送りました。もちろん、内容は、弟子以外には絶対に公開しませんし、出版予定も全くありません。
つい昨日、弟子のことで説明を受けに来た子にも、「私の工房では、ヴァイオリン製作以前に、こういう事を行う」という説明をしたのですが、その本当の意味をどの程度理解してくれたでしょうか?
蛇足になりますが、私の工房では、「技を見て盗め」ではなく、「読んで覚えられるものは、読んで覚えろ」の方針です。もちろん、それ以上の高度な技術に関しては「教わるのではなく、見て覚えろ」と、全く同じではあります。