この数年くらいの傾向ですが、弓の性能の話を聞きに来て、それっきりの人がとても増えています。特に若い人にその傾向が多く見受けられるように感じます。だから私の方も、説明をするのになんだか疲れてしまっているのも事実なのです。

 もちろん、私から説明を受けて、その場で購入を即決する必要はありません。「迷っているのでしら、一度家に帰って、冷静になって検討してください」とお勧めするくらいです。

 しかし、電話やメールでは、「購入を検討していますので、弓の性能の説明と試奏をお願いします」と言うことで、工房にいらした方でも、いざ説明を始めると、「話だけを聞きに来た人で、話を聞いたらそれでバイバイの人なのだな」というのは、何となく判るものなのです。

 それを察してからも、一期一会の気持ちで、気持ちを切らさずに、一生懸命説明しようとする気持ちを持続させながら話を続ける気力を持ち続けることが大変なのです。しかし、私が受け入れた以上は、例え結果的に私の工房にて弓を購入しなくても、私の工房に来て良かったと少しでも満足してもらいたい気持ちもあります。だから、気持ちを切らさずに、一生懸命説明をするのです。

 ただ、お客様が帰った後には、空しさを感じることもあります。その傾向が年々高くなってして、それが若い年齢層において顕著だからです。若い世代ほど、「説明」とか「情報」って、ただだと感じているようです。または「ただのものは、賢く利用して」という感覚も強いです。

 愚痴ばかり出てくるようになったのは、私が年をとってしまったからなのでしょうか?

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