先のブログで、「なぜ理を求めに来ないのか?」みたいなことを書きました。しかし、勘違いされては困りますが、それは私が「ボランティアや親切心で説明しますよ。どうぞいらしてください!」と言っているのではありません。あくまでも、私は仕事としてやっています。

 もっとも、自信を持って「理」を販売しています。インチキな感覚論に訴えるだけの商品販売は絶対にしていません。

 愚痴になってしまいますが、以前ならば、弓の説明をした方に、「迷われるのだったら、一旦戻られて冷静になって考えてみてください。またはなんなら、他の楽器店に行って弓を弾いてみてください。こんなに良いのは、そうはありませんから」と言うと、殆どの方は再び工房にいらしてくださって、購入してくださりました。

 しかし最近は、一生懸命説明して、「こんな説明は初めてです。ためになりました! 検討します。」と言われて、それで終わりになる方が2/3以上になってしまいました。

 ネットで検索するような感覚で、説明を受けに来るのでしょう。

 もちろん、その中から購入してくださる方もいらっしゃるわけですから、私も一生懸命に説明しています。ただ、本音を言うと、こんな状況が続いていると、ついつい心の中で「どうせ説明を聞いて、バイバイなのでしょう?」と、不信感をもってしまうのです。これは良くないです。一期一会、お客様と真剣に向き合わないといけないとは、重々承知しています。

 ただ、世の中の風潮が、どんどん酷くなっているのですよねえ。恩とか、義理とかが軽く扱われる風潮・・。

 ちなみに、私の工房で「弓の理論」を教わった後で、他の楽器店で良い弓が選べるかというと、そう簡単なものではありませんよ。なぜならば、いくら選び方の理論を教わっても、絶対的なクオリティの低い中で選んだら、その中でせいぜいまともな品質の弓を選ぶだけですから。絶対的な基準はぜんぜん持ち合わせていません(私の工房で基準を覚えていったと思っているでしょうが、そんなのは直ぐに判らなくなるものです)。

 だから、「自分で選ばない事」が重要なのです。私が推薦する楽器や弓こそが、本当にお勧めな商品です。

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