先日弓の試奏にいらしてくださった演奏家の方が、弓を気に入ってくださって購入することになりました。そこでお支払いの話とかになったのです。
申し訳ありませんが、私の工房では営業販売の規模が小さすぎるのでクレジットカード決済とか、分割払い決済とかは行っておりません。現金一括払いか、一括銀行振り込みでのお取引となります。
それで、お客様が「銀行から融資してもらう方向でお支払いするつもりです」という話になりました。
実はこれまでにも何人かの方から、「銀行融資を利用してお支払いします」という経験はあったのです。しかし、詳しい事をお客様に尋ねもしなかったですし、よくわからないまま今日に来ていました。
今回その演奏家の方が色々教えてくださって、初めて「銀行融資」の意味がわかりました。
まず、「融資」というと、私は業務用途の大きな金額(数千万円とか)のみしか、銀行は相手にしてくれないものだとばかり思っていました。
しかし最近の銀行(その方は地方銀行を利用されていました)は、個人への少額融資を積極的に行っているらしいのです。
さらに、その演奏家の方は、あえて「趣味用途としての購入」と申請したそうです。というのは、業務用途として申請すると、契約形態が「業務」になって面倒になってしまうとの話でした。「個人の趣味」としての融資の方が簡略化されているのかもしれません。
もちろん実際の個人融資の前に、事前審査があって年収とか家族構成とか、色々調査があるのでしょう。そして事前審査をパスできたら、次に私が商品の「見積書」を出して、それを銀行に提出して、銀行が融資の可否を最終決定します。そして、最後に銀行がお客様名で、私の工房口座にお振り込みがあるのです。
利率とかの詳しい事まではわかりませんが、「個人の趣味用としての少額(数十万円~数百万円)融資」も、意外と敷居が低くなっているようです。
余談
私の工房では一番高額な商品でも数百万円台です。しかし、この業界では数千万円の楽器なんて”普通”です。
以前同業者に「数千万円の楽器を購入している人って、どうやって支払っているのか? 分割で?」みたいな事を尋ねたことがあるのです。そうしたら、「みな一括で購入しているよ。お金が無い人は最初から購入しないだろうから」みたいな返答でした。それで私は「そんなにお金がある人がいるものなのかなあ??」って、不思議に思っていたのです。
しかし今回の「個人融資」の詳細を教えてもらった事で、なんとなく理解できました。おそらく数千万円の楽器を購入されている方の多くも、個人融資を受けて購入されていたのではないでしょうか?
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