現在調整しているカントゥーシャ作のヴァイオリンは、海外在住の演奏家のものなのです。日本に帰国しているときには、必ず私の工房に調整にお持ちくださるのですが、時には仕方なく海外で調整することもあるみたいです。

 今回、弦を張り直して音を出した途端、直ぐに違和感を感じました。私はカントゥーシャ作の楽器を知り尽くしていますから、その変化にも敏感なのです。

 おそらく、他の楽器店で調整されてしまったのだと思います。

 技術者によって、調整の考え方とか、音のまとめ方ってかなり違うのです。だから、同じ工房に通い続けることが重要なのです。

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