以前にも説明したことがあるのですが、多くの方は「脱力」という言葉を勘違いしています。

 力を入れないことと勘違いしているのです。または間違った教育がまかり通っています。

 その原因は、使っている弓の性能が低いことが原因です。もちろん、性能が低いと思って使っている上級者、プロの演奏者は皆無でしょう。

 一例として、振り子の運動をあげてみましょう。これがボウイングの理論というわけではありませんが、「力の状態」という説明としては、決して的外れでは無いと思います。

 

  1. 最初に、振り子の鉄球を持ち上げます。この時、振り子には位置エネルギーが蓄積されます。
  2. 次に、その鉄球を支えていた手を離します。
  3. 位置エネルギーが、運動エネルギーに変換されて、鉄球は最高速度「v」のスピードで水平に動きます。

 さて、この時に鉄球に力が働いているでしょうか?

 物理の問題としては、中学生か高校レベルの問題でしょう。しかし演奏においては、究極の技術的な考え方なのです。演奏技術の根本を司っている内容なのです。答えを言ってしまえば、それは「物理の法則(に則った運動)」です。

後日追記:蛇足になっていますが、「力は働いています」。惰性だけで鉄球が動いているわけではないのです。しかしその力(向心力)は自然であり、鉄球の動きは不自然にならないのです。

 

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