以前にも説明したことがあるのですが、多くの方は「脱力」という言葉を勘違いしています。
力を入れないことと勘違いしているのです。または間違った教育がまかり通っています。
その原因は、使っている弓の性能が低いことが原因です。もちろん、性能が低いと思って使っている上級者、プロの演奏者は皆無でしょう。
一例として、振り子の運動をあげてみましょう。これがボウイングの理論というわけではありませんが、「力の状態」という説明としては、決して的外れでは無いと思います。
- 最初に、振り子の鉄球を持ち上げます。この時、振り子には位置エネルギーが蓄積されます。
- 次に、その鉄球を支えていた手を離します。
- 位置エネルギーが、運動エネルギーに変換されて、鉄球は最高速度「v」のスピードで水平に動きます。
さて、この時に鉄球に力が働いているでしょうか?
物理の問題としては、中学生か高校レベルの問題でしょう。しかし演奏においては、究極の技術的な考え方なのです。演奏技術の根本を司っている内容なのです。答えを言ってしまえば、それは「物理の法則(に則った運動)」です。
後日追記:蛇足になっていますが、「力は働いています」。惰性だけで鉄球が動いているわけではないのです。しかしその力(向心力)は自然であり、鉄球の動きは不自然にならないのです。
関連記事:
- 製作・調整をする上での重要なポイント
- この「トランポリンの思考実験」とても大事です
- なぜ部品を軽く加工するのか?
- 風力発電って、環境に悪影響を及ぼさないのだろうか?
- 燃料電池バスが運行し始めたのですね