このイラストは、接着の状態を多少誇張して表した図です(あくまでも説明するための簡易イラストなので、実際の接着面の様子を表しているわけではありませんので、その点は誤解の無いようお願いいたします)。
例えば、楽器の響板と側板の接着の事だと考えてみてください。
1.理想的な木材の接着面と、接着面に塗られたニカワの様子を表しています。これは「接着されている」状態です。
2.これは、明らかに「剥がれています」。響板を叩くと、ペシペシと異音がすることでしょう。
3.さて、これは接着されているでしょうか? それとも剥がれているでしょうか?
4.これはもっと微妙です。
3.と4.は、着いているとも言えるし、剥がれかけているとも言える微妙な状態です。響板を軽く叩いただけなら異音が出なくても、強く叩くと異音が出るかもしれません。また、季節によって楽器が変形すると、異音が出るかもしれません。または、かろうじて付いていた一部が剥がれると、一気に剥がれた状態になるかもしれません。
このように、「接着されているのか?」それとも「剥がれているのか?」という状態は、イエスかノーか、白か黒かという単純な話しではありません。特に状態の悪い楽器では、楽器ほぼ全ての部分がこのような「微妙」な状態です。
ちなみに、上記のイラストはあくまでも「例え」です。実際には割れの修理跡の問題だったり、楽器の構造の問題だったりするのです。とても難しいのです。
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