コロナ明けだからかのか、それともたまたまなのかはわかりませんが、久しぶりに調整にいらした方が多かったです。

 その半数はコロナ禍にもいらしてくださってお客様でしたが、しかし、コロナ禍は「毛替えと弦交換のみ」みたいな、最低限の調整希望の方がほとんどでした。

 コロナが明けて演奏会が本格的に再開したのか、それに伴って弦交換以外の点検、調整の依頼が増えたのです。

 そのような方の楽器をじっくり点検すると、驚く程に楽器が壊れている(傷んでいる)方が続出しましまた。殆どの方は響板が剥がれていただけの軽微な損傷でしたのでちょっとした修理で済みましたが、ある1本の楽器はけっこう深刻な状態でした。

 それらのお客様のほとんどは、その状態に気づいていなかったのです。私でさえ、最初は簡単な点検だけをして「問題ないです」と言って受け取った楽器が、楽器磨きとか弦の交換作業をしていて、響板の剥がれに気づいたという事例もあるのです。

 このように、楽器というのは所有者の気づかない内に壊れている事も多いのです。

 だから調整に出すときには、ある程度の余裕のある期間を予定して調整に出す事がとても重要になります。これはとても重要な事です。

 

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