私の師匠カントゥーシャ氏の製作の特徴は、生涯にわたってほとんど変化のない緻密な製作を一貫して行ったことです。これって当たり前のように感じるかもしれませんが、ほぼ全ての製作者の技術って、時代時代によって結構変わったり、年齢によっても変わっているのです。

 ところがカントゥーシャ氏は、バカが付くほど一貫した理論を高精度の技術で追求していました。

 これって、オイストラフの演奏に共通していると、最近とても感じています。先日にも、オイストラフ演奏のハチャトゥリアン作曲のヴァイオリン協奏曲が、11年経った時でも全く同じように弾いているという記事を書きました。

 口で言うのは簡単ですが、それを数十年間にもわたって実行し続けるのは、よほどの芯になる物がなければ、なかなか出来ることではありません。

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