オイストラフって、どの年代の演奏を聴いても「真面目」さを感じます。おそらく人間的に真面目な人で、手抜き演奏だとか、「芸術性」だとかの言葉で自分をごまかすことが嫌いだったのでしょう。

 このハチャトゥリアン作曲のヴァイオリン協奏曲は、最初が1954年(46歳)の演奏家としては絶頂期の演奏で、二番目の演奏が1965年(56歳)です。11年間の年月の差がありますが、皆さんはどのように感じたでしょうか? 私には演奏技術の衰えは全く感じません。「ほぼ同じ演奏」と言っても言いすぎではないくらい、いつでも「自分の演奏」を貫いていたのでしょう。

 それにしても、両方でテンポが全くと言って良いほど同じです(例えば2分15秒まで)。ハチャトゥリアンもオイストラフも、凄い。

1954年(46歳)
フィルハーモニア管弦楽団
アラム・ハチャトゥリアン(指揮)

 

1965年(56歳)
モスクワ放送交響楽団
アラム・ハチャトゥリアン (指揮)

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