コロナ禍、いらっしゃるお客様が激減している時間を活用して、以前に作業途中だった「修理クランプの修理」の続きを行っています。

 以前には、壊れた修理クランプを3D CADでモデリングして、3Dプリンタで出力して、使えるのかどうかまでを確認した状態でした。とりあえず白色の樹脂で出力して、とりあえず使える状態にはなっていたので、そのまま使い続けていたのです。

 しかし、どの形のクランプも白色だと、慌ただしいニカワ接着作業中に、目的の形のクランプと違う形のクランプを間違えて手に取ってしまう事もあったのです。

 可能ならばオリジナルの色と同じ色で3Dプリンタ出力したいとは考えながらも、時間が過ぎ去っていました。しかしようやく、目的の色付きフィラメントを3色購入して、再出力している最中です。

 あらためて壊れたクランプを見たら、「West Germany」の文字が。懐かしい!

 私が渡独してカントゥーシャ工房に行ったのが、ドイツ統一から半年後の1991年でした。だから購入したクランプも「West Germany」という表記と「Germany」とい表記が混在していたのです。今となっては、それも貴重な歴史資料です。

 当時のドイツ製のヴァイオリン製作関連の道具はこのクランプ以外もとても優れていました(一部のプラスティック劣化に関しては別ですが)。しかし最近の道具はアジア製とかインド製とかの安物ばかりを売るようになって、品質も性能も酷いものが多くなっています。日本の道具も、それを作る職人さんが後継者不足のために廃業してしまい、良い道具が少なくなってしまいました。

  なんだか時代がおかしな方向へ流れているような気がしています。歳をとってしまったからなのでしょうか・・・。

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