夏、気温が高くなると松ヤニの表面が溶けてツルツル状態になります。そうなると、毛替えをしたばかりでただでさえ摩擦係数が低い馬毛は、松ヤニ表面を削ることが出来なくなってしまうのです。

 こういう時、ムキになって速いスピードで馬毛を擦ってしまうと、松ヤニ表面はさらにツルツルになって悪循環に陥ってしまいます。最悪、馬毛を傷めてしまいます。

 こういう、毛替え直後の馬毛の「松ヤニのきっかけ作り」も、あまり注目されない地味な技術ですが腕の見せ所なのです。

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