私はしっかりした作りのJAEGERケースをお勧めしていますが、しかし残念ながら悪い部分もあります。それはファスナーです。
20年以上前の分厚い帆布カバーが装着されていた頃のJAEGERケースには、日本のYKK社製のとてもしっかりした大型ファスナーが付いていたのです。
ところがJAEGERケースが”NOVA”という金色金具を多用したちょっとお洒落なモデルにモデルチェンジしたときに、ファスナーも金色のファスナーに変更になりました。ところがこの金ファスナーの質が低いこと、低いこと!
この金色のファスナーはYKK製ではなくてドイツ製なのですが、とにかく天下のYKK製とくらべて性能が比べようも無いくらいに低いのです。片側方向に特に動かないのです。それもどのケースも。
私はあまりの酷さに、GEWA社に「こんなにファスナーの性能が低いと、JAEGERケース自体の評判が下がるので、是非とも以前のようなYKKのファスナーに変更してください」とメールしたのです。ところが、その後20年も現在に至るまで変化無しです。
私の想像では、おそらくGEWA社の戦略で、made in Germanyという商品の付加価値を付けようという事で、部品もドイツ製を付けているのだと思います。
ところがこの程度の低さ!
ファスナーの動きの悪さは20年も安定して悪いままでした。ここまで改良しないで製造し続けるとは、ある意味感心しているくらいです。先日仕入れたJAEGERケースで、ほんのちょっとだけましになったかな? くらいです。
さてさて、話が長くなりましたが、先日私が試したフリクトル3という潤滑剤を、このダメダメファスナーに上手に塗ると(どのようにして使うかは公表しません)、ちょっとは動きが良くなりました。
めでたし、めでたし。
補足
ちなみに、こういうケースなどへの微調整は私の工房にてお売りした商品にだけに行います。他店から購入した物には行いません。それが私の工房で購入するメリットでもあるからです。意地悪と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、私を信頼して購入してくださった方へ、時間と技術を費やします。そうでなければ、私の工房で買うメリットなんてありませんよね?
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