昨日に螺鈿の記事を書いたからというわけではないのですが、今日は私も貝の加工を行いました。
写真の様に、弓の装飾貝が2枚剥がれてしまい、そのパーツが紛失してしまったのです。なので、手間をかけて新しく貝で作り直さなければなりません。
皆さんも、このように装飾貝が剥がれてしまったら、その取れてしまった貝のパーツを探し出して保管して置いてください。再接着するだけだったら大した費用はかからないかもしれませんが(貝の劣化状態によりますが)、今回のように一から新たに作り直すと、修理代金が高額になってしまうのです。
さて今回の修理では、まず手持ちの貝の小片から似たような模様の貝を選択します。そして、あとは手間を掛けて、オリジナルの寸法へ少しずつ削っていくのです。これがとても手間のかかる作業です。
今回のこの修理に限らず、楽器や弓が壊れて部品が飛んだとき(取れたとき)、それに直ぐに気づくくらいの楽器への意識を常に持っていることが大切です。後になって気づいても、破損部分を探し出すことは不可能に近いからです。
少し前に楽器の渦巻きの破損でいらしたお客様は、細かな破損部分を丁寧に保管して持ってきてくださりました。そしてうまい具合に再接着ができたので、当初の予想よりも綺麗に、そして安く修理ができたのです。