昨日テレビで、若い職人がポケモンキャラクターをモチーフにした作品を公開していました。
その若い職人の一人に、現代螺鈿細工職人がいて、彼の作品は小さな数字だとか幾何学模様がビッシリと敷き詰められた模様をしている「デジタル」を連想させる作品でした。
その微細な螺鈿細工の薄貝をどうやって切り抜いているのだろう? と不思議に思いながら観ていたら、その作業風景も映りました。
まずはレーザー加工機で、貝の薄板に切り抜く数字(模様)を焼くのです。この時点ではまだ切り抜くことはできません。
そしてそれを超音波洗浄機に入れて振動を与えることで、レーザー加工機で切れ目を入れていた微細模様がパラパラと分離するのです。
素晴らしい新しい技法です。
伝統工芸も、このような新しい技術を拒絶感なく受け入れることが出来る若い職人が、新たな境地を開拓して、さらに進歩するのです。
伝統工芸とは古い技術ではありません。生きている職人が、常に新たな技術を模索している生きている技法なのです。これはヴァイオリン製作も同じです。
補足:別の番組で観た螺鈿職人は、薄貝を石膏の上に貼り付けて、糸鋸で石膏ごと切り抜いていました。
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