私の工房での会話で、録音の話題になることも多いです。そこでプロ用のマイクとアマチュア用のマイクとの違いを聞かれることが多いので、ごく簡単にですが説明します。
価格
 民生(アマチュア)用のマイクが数千円から2万円くらいであるのに対して、業務用のマイクは数万円~数十万円もします。
音色
 もちろん業務用のマイクの方が良いです。しかし弦楽器のそれと同じで、その「差」を大きく感じる方もいるでしょうが、興味のない方には「差」を感じられないかもしれません。
マイクケーブルの違い
 これが一番の違いです。業務用のマイクはキャノンコネクター(XLR)という規格の端子を使い、ケーブルも3芯のものを使っています。一方、民生用のマイクケーブルは2芯です。
 3芯のケーブルは、ケーブルの途中で混入するノイズをキャンセルする仕組みを持っています。従ってマイクケーブルを20mとか50mとか長めに引いたとしても、トラブル無く(絶対無いとも言えないのですが)運用することができるのです。これが民生用のマイクだと、長めのマイクケーブルを使うとノイズが出てしまうことが多いです。
マイク電源
 民生用のマイクは乾電池タイプであるのに対して、業務用のマイクはファンタム(ファントム)電源という外部電源でマイクが駆動します。安定した電源をマイクに供給できる仕組みです。
 以前私は、民生マイクで録音中に電池が減り(ケチって電池を替えなかったのが悪かった)、演奏会の後半で録音にノイズが乗ってしまった経験があります。業務用のマイクの場合、このようなトラブルの心配はいりません。
 最近の民生用のデジタルレコーダーやマイクはとても性能が良くなってきましたので、数倍~数十倍もの価格差のある業務機と比べて、天と地ほどの性能差があるわけではありません。しかしマイクケーブルを長く引き回すようなセッティングにおいては、業務機器の優位性が明らかに出てくるのです。

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