マイクロフォンに詳しい方にとっては、基本中の基本の事なのですが、楽器演奏者でもこの手の事に疎い方もいらっしゃるので、ちょっと書いておきます。
マイクロフォンには、目的によって様々な種類、形態の物が存在します。今回は、その中でも代表的な「インタビューマイク、またはボーカル用マイク(構造的にはダイナミック型がほとんどです)」と「クラシックなどの音楽録音用マイク(構造的にはコンデンサー型がほとんどです)」の違いを説明します。
どちらも「音」を録音するための道具なのですが、簡単に説明してしまうと、インタビュー(またはボーカル用)マイクとは、マイクの直前の(大きな)音だけを録音するマイクです。すなわち、インタビュー対象者の声だけをはっきり収録して、それ以外の環境雑音(車の音とか、周りの人の声とか)の比較的小さな音は収録されにくいのです。
一方、クラシック音楽録音用のマイクは、もの凄く小さな音も、遠くの音も収録されます。だから微妙な音色とか、残響音とかの「雰囲気」まで繊細に録音することができるのです。
もちろん、インタビューマイク、ボーカルマイクで音楽を収録できないわけでは無いのですが、やはりそこは「餅は餅屋」で、適切なマイクを選択して録音すべきです。
補足:歌のレコーディングの時にボーカルマイクを使わないで、コンデンサーマイク(一例 Neumann U87)を使うのかというと、レコーディングブースは雑音が無いので、コンデンサーマイクで声も収録した方が、繊細な音が録音できるからです。しかし、コンデンサーマイクは繊細なので、マイクに口をくっ付けて発声してしまうとマイクが壊れてしまいます。ある程度の距離を保つ必要があります。
その逆に、ライブステージなどで、ボーカル用にコンデンサーマイクなどを使おうものなら、ハウリングとかが酷くて使い物にならないと思います。またマイクに口を近づけて歌ったりすると、コンデンサーマイクは壊れてしまいます。