昨日、私の工房のお客様の、ある女性ヴァイオリン奏者の方と、「録音した音の編集」の話になりました。その方は、ご自分で映像もサウンドも編集して、BDやCDを作ってしまうらしいのです(なんと私と同じ、Vegas ProやSound Forgeを使っているそうです)。今時分の演奏家には、そのくらいのスキルも必要になってきました。

 それで、サウンド編集の「コンプレッサー」についての話になりました。私の経験では、演奏家は基本的に音をいじるのを嫌がります。演奏したそのままを、CD(またはBD)として残しておきたいのです。

 この気持ちは私もわかります。「原音に忠実」こそが最高品質だからです。

 しかし、再生する側にしたら、原音に忠実な音って、pppが小さすぎて、結局ボリュームの調整をしながら聴くことになってしまうのです。

 だから私は「軽めにコンプレッサーをかけて」というアドバイスをしました。「軽めに」というのがミソです。この手の編集作業って、のめり込みすぎると、化粧と同じでやり過ぎてしまいがちです。特に素人はそうしがちです。だから「軽め」が一番良いのです。

関連記事: